ほ

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のほのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ひっじょーーうによかった!英国軍でさえ一部の人しか知らなかった勝利の裏側。
最近ずっと「世界中の人がひとりひとり違うからこそこんなに文明が発達したんだよなあ〜みんな私みたいなのだったらギターも電車もコンピューターも生まれてないよなあ、世の中よくできてるわあ」と漠然と思っていたのですが、まさにその気持ちの核心を突かれた。
暗号解読というドキドキ要素がメインの映画かと思ったら、戦争はもちろん、もっと深く人間とは?というところまで迫ってくる。こんな映画向きの人生の人、ほんとにいたのかってくらい要素が詰まってる。どのくらい脚色されてるのかも含めて、アラン・チューリングについてもっと知りたくなる。
高慢で不器用で周りに馴染めない性格、当時は違法の同性愛者、戦時下では秘密を守り嘘を重ね、自分たちの判断ひとつで救える人間を見殺しにするという人間らしからぬ行動を余儀なくされる。「自分は人間なのか?」という自己へのイミテーションゲームを、彼は死ぬまでずっとし続けていたのかしら…。マシーンによって結果的に何千万人もの命を救ったし、後世に大きな影響を与えたコンピューターの基礎を作ったのにも関わらず、本人は孤独を抱えて死んだなんて切ない。こんな大発明が戦争によって生まれて、戦争によって埋もれてしまったのもやるせない。なんとも言えない感動と悲しさをもってこの映画は終わる。

とにかくベネディクト・カンバーバッチを始めキャストが素晴らしい。どんどん深みが出てくる構成もお見事。
MI6のタヌキっぷりもよかったです
ほ