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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のRのレビュー・感想・評価

4.8
先日2回目を見たので、ちょい書き直し。1回目見たときより全然おもしろく感じた! めちゃめちゃよく出来てるやんこれ! のちにコンピュータが生まれるきっかけとなるデコーダーをつくった数学者アラン チューリングの人生を、3つの時代、戦前・戦中・戦後に分けて、同時進行で描いていく。同級生たちにいじめられてる地味な学生アランが、クリストファーという同級生と親友になることで、人生に喜びを見いだし、救われていく戦前。戦中は、ナチスの攻撃作戦を暗号化したエニグマを解読すべく、人類初のコンピュータを作ろうとする過程が描かれ、そして、戦後は、盗難事件の取り調べを受けるチューリング博士の最も個人的な秘密が明らかになっていく…これを、何重にもプレイされるイミテーションゲームと、チューリング博士の秘めたる苦悩を中心に、濃厚なミステリーとして展開。ほんとに見事な見事なストーリーテリングで、夢中になった! 二回目は特に! で、全体としてすごく感動的なポイントが2つ。ひとつはナチスの暗号を解くのに、誰も可能性を信じてくれてない状況で、解読マシーンの開発を貫き通し、完成させたところ。信じるということの力がどれほど偉大か、ビリビリ伝わってくる。もう一つは、それが普通の人間でないからこそ、成し遂げることができた偉業であるいう点。普通であることにこだわって、スタンダードにがんじがらめで、何もできない人間しかほぼいない世界で、こんな人が実際に存在したってのはほんとに素晴らしいことだし、勇気をもらえる。 ただ、最後がせつなすぎる……ただひとり、心から信頼できる人がそばにいてくれたら…。でもそれが許されない時代であり、状況であり、任務であったのだ。最後の字幕のところで一気に涙。何と偉大で何と孤独な人生であったことか。陰影の深い映像、格調高い音楽、巧みな時制の組み立てで、グイグイ引きずり込んまれる、ほんまにすばらしい映画だった! 1回目一緒に劇場に見に行ってたスウィーティは、鑑賞後完全に放心しててオモロかった! また見たい。何度も見たい。
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