青い虫

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密の青い虫のレビュー・感想・評価

4.9
鑑賞メモ

めちゃめちゃ面白かった…
話の内容もたくさんの要素が散りばめられており奥行きのある話であったが、ベネディクト・カンバーバッチの演技が本当にハマっているので、ある種の共感だとか情を呼び起こさせて観客を引き込んでいた
天才で、人と上手に付き合えなくて、周りの人間は自分を理解できないと思ってる孤高の人で…という要素がSherlockと被るので似たような演技になってしまうのでは…?と少し懸念していたがもう全然そんなことなくて、上映されている間はきちんとアラン・チューリングというひとりの天才数学者だった
ベネの演技の魅力とアランの元々の魅力が合わさって重厚感のある作品になっている むしろベネでなければここまで趣のある作品になっていなかったのではと感じられるくらい

ラストシーンの切なすぎるやりきれなさと、焚き火をするシーンのキラキラ輝くような、達成感や仲間たちとの思い出を飾る美しさのコントラストがより心を潰しにかかってくる
終わり方が劇的なのでより一層伝記ものっていう感覚が薄れる…フィクションであればどれだけ救われたか
アランのやりきれなさは観客の我々の想像を絶していたのだろうな…
全編を通して彼の原動力が少年期から抜け出せない愛であるところが、より寂しさや悲しみが深くなる
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