⚪概要とあらすじ
第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが...。
⚪セリフ
「人が暴力を好む理由が分かるか?気分が良くなるからさ。」
⚪感想
伝記作品。
「実話で数学者の話は分かりづらいかな」と勝手に思っていて、観ていなかったけれど本当に観て良かったと思える作品。
とにかく色んなシーンでめちゃくちゃ泣いたし、心がずっと痛かった。
天才は何かを成し遂げるまで理解されないって言うけれど、これはさらに上でとにかくしんどかった。
変わり者の一言で片付けられるのがとにかくきつい。それに加えて、同性愛者であったアラン・チューリングは、当時同性愛は違法で、今以上に差別も強かったからより生きにくかっただろうなと思った。
物語が学生時代とエニグマを解いていた時代の2つの過去と現在で進むのが良かった。
学生時代もなかなか辛くて苦しい。
映像と雰囲気が重厚感と暗い中に美しさがあってすごい好みだった。
ベネディクト・カンバーバッチの演技力が1番だけど、キーラ・ナイトレイやマーク・ストロング、一緒にエニグマを解いた仲間たちの主人公の周りのキャスト陣の演技が良かった。
アラン・チューリングの功績と生涯。
偉大な人物ではあるけれど天才と変人が同居した人間らしい人。感性が鋭く、たまに取っ付きにくい、気難しいが、身近に感じるところも。
そうしたアラン・チューリングをベネディクト・カンバーバッチが上手く演じている。今までベネディクト・カンバーバッチは『ドクターストレンジ』くらいしか観たことがなかったので他の作品も観ようと思った。
最後の最後は衝撃的で泣かずには居られなかったけどアラン・チューリングの功績を知ることが出来て良かった。もっと多くの人が彼の人生と功績を知るべき。
''Sometimes it’s the people no one imagines anything of who do the things that no one can imagine.""
「時に想像し得ない人物が偉業を成し遂げるのよ」
印象に残る素敵なセリフだった。
観るなら字幕がオススメ。
アラン・チューリングがお札の顔になったらしく嬉しい。私も欲しい。
⚪以下ネタバレ
このアラン・チューリングがいなかったら戦争は2年近くのびて、多くの犠牲者がでて今の世界が全く違うものにやっていたかもしれないと言うのに、年の若い男の子に手を出し同性愛ということで監獄の代わりにホルモン注射を受けなくてはいけなくなり、41歳という若さで自殺してしまったという事実はあまりに辛く悲しく痛い。
ベネディクト・カンバーバッチの「自分の救った社会によって心身をダメにされたんだ。」っていう言葉がそのまま。
せめて多くの人がこのアラン・チューリングの功績を知ってくれたら良いなと思う。
あと、ただただ彼のプロポーズが個人的にめちゃくちゃ好き。
あんなんされたら普通に嬉しいし笑ったちゃう。
アラン・チューリングのことを私は忘れないでいたい。
⚪鑑賞
映画天国で鑑賞(字幕)。
⚪パンフレット所持