継

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密の継のレビュー・感想・評価

3.1
“機械が思考する方法をひとたび確立したならば, 我らの如きひ弱な力はすぐに追い抜かれるだろう, 実権は機械が握る事になる.” ─アラン・チューリング

ナチスが誇る暗号機 <エニグマ>.
ドイツ語で<謎>を意味する、不可能と言われたその解読に初めて成功した英国の天才数学者アラン・チューリングの数奇な人生を描いたストーリー。

実話ベースの映画の場合、脚色して話を盛り上げようとする事はよくありますけど、本作は逆にドラマチックな要素がありすぎて f(^∀^;)、
LGBT、女性差別、二重スパイ、ノルマンディー上陸作戦や戦争終結への知られざる貢献、英国政府の思惑、解読を悟られぬ為に見捨てられる命、公私両面で秘密を抱えてしまうチューリングの人生…

シャーロックやDr.ストレンジ、シェイクスピア劇のリチャードⅢ世等々、“唯我独尊”の主人公を演ると繊細なイメージがいい具合に味を効かすカンバーバッチがハマり役でした。
困難な解読作業が成果を挙げてゆくさまは痛快ですが、個人的にはチューリングに焦点を当てた物語としては、もう少しLGBTに軸足を置いて彼の心の闇にスポットを当てる話の方が相応しかった気もします。
前作『ヘッドハンター』がメチャクチャ面白かったティルドゥム。ハードルを上げて観たせいもあるか?とは思いますが、ちょっと捌(さば)ききれてない印象は残りました。


冒頭の言葉が示す通り、別に暗号専門家じゃないチューリング。
本編ではカットされてましたが(YouTubeに動画アリ)、横たわるチューリングの傍らにはひと齧りしたリンゴが転がっていて、後に青酸カリが検出されたとか。
リンゴと言うと、エデンの園を追われたアダムとイブや、白雪姫、或いはチューリングの功績が世に出た数年後にロゴを齧られた林檎へ変更したアップル社を連想しますが、
研究の第一線を追われ、毒入り林檎で永遠の眠りについたチューリングと同様、コンピューターサイエンスの系譜に大文字で印されるスティーブ・ジョブスには何か因縁めいたものが感じられてネット上に散見する“ロゴは遺志を継ぐ意図なんじゃ?”という仮説に説得力を感じてしまいます(^^)。

ソフトウェアの概念を世界で初めて発表して理論的突破口を切り開き、後に実際にコンピューターを設計。現在の人工知能の礎を築きながらも、
生まれるのが半世紀早すぎた男, アラン・チューリング。

2017年、2つの人工知能AliceとBobが人間には分からない言語を用いて会話を始め、研究者が慌ててシャットダウンする事態が起きました。
チューリングが70年前に予見していた、開発者でもAIをコントロール出来ない現実の到来。
チューリングの失脚により、持ち越しになっていたシンギュラリティ(=人工知能が人類の知能を超える転換点)は
遅まきながらその時へ向かって確実にアyUミヲSuスめtEいるyoうdEs#%&7▲@□★◎≧∞….
継