おじょー

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のおじょーのレビュー・感想・評価

4.2
実話を基にした作品。
アラン・チューリングというイギリスの数学者の偉業を知りました。

政府が長きにわたり隠し続けた戦争の記録。

アラン・チューリングの功績を世間が知るのは終戦からだいぶ経った1974年、ブレッチリー・パークの活動について書かれた著作「ウルトラ・シークレット」が発行されてから。
この時既にアラン・チューリングはこの世にいない。

まだ同性愛が違法とされており、最高刑は死刑だった時代ー。
不運にも同性愛行為の罪で逮捕されたアラン・チューリングは入獄を逃れるために選んだ科学的去勢により、女性ホルモンを投与された。
肉体的だけでなく精神的にも変調をきたした。

偉業を成し遂げた人物とは思えない死に方だった。
“哀しき救世主”
“悲劇の天才数学者”
と言われる所以だろう。


解読不可能と言われたエニグマの解読に成功したからこれで終わり!ではなかった。
また新たな戦いが始まった。
ドイツ軍に解読が成功したと思わせない為の苦渋の決断に、アランたちチームの人間がどれだけ苦しんだことだろう。
精神的な戦い、これが戦争なんだ。


アラン・チューリングがどのような人物だったのか、この作品から滲み出ている。
彼が何をしたのかどんな生涯だったのか、是非多くの人に観てもらいたい作品。


2021年には新50ポンド紙幣にアラン・チューリングが採用されるそうです。


38/2020
おじょー

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