おばけシューター

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のおばけシューターのレビュー・感想・評価

3.8
面白い!
悲劇の天才アランチューリングは現代に続いている数学やコンピュータの礎を築いた数学者であるが、代表的な仕事は停止問題、チューリングマシーン、そしてチューリングマシーンである。
停止問題とは、現在のプログラミング言語はある程度ループを繰り返すと自動停止し無限ループを避ける構造であるが、そのような機能がない場合アルゴリズムは自身のプログラムが無限ループするか否かを判別できるかという問題で、彼はこれを否定的証明(判別できない。しようとすると無限ループに陥る)、すなわちプログラミング言語や数学あらゆるシステムの限界を証明した。もしこれが可能であれば、天文学的な計算を繰り返せば証明できる問題を虱潰しに計算するプログラミングの停止判別をさせることで答えのある事、あるいは無いことを示せるため、ゴールドバッハ予想(4以上の全ての偶数は2つの素数の和で表すことができる)などもとっくに解決できている事になる。
本編でも言及されているチューリングマシーン等の説明は省略するが、つまるところタイプライターと蒸気機関車の時代に、プログラミング言語の可能性を見極めていた人物であるが、彼自身のストーリーについては不勉強であった。
他の人物にみるような孤高の天才として描かれてるかと思えば、自分よりパズルを解くのが早い女性に影響され苦手なチームワークを克服し、見事成し遂げるというむしろ平凡な人物を描くような表現が物語を際立たせており、印象的であった。