【アカデミック映画】
～映画を通じて功績を学ぶ～
◆人物
🇬🇧アラン・チューリング
(1912年6月23日 - 1954年6月7日)
◆学術分野
数学、暗号解読
◆映画で描かれる功績
ナチスの暗号機「エニグマ」解読
〈見処〉
①現代につながる功績は！？
・『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、2014年の歴史ドラマ映画。
・時は1939年のロンドン。イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が開幕。英国諜報部MI6は、ドイツ軍の誇る世界最強の暗号「エニグマ」の解読に挑むための機密作戦を召集。
・10人の人間が24時間働き続けても、調べ終わるまでに2000万年かかるといわれる暗号のパターン解読に対して、集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。
・うち1名の天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、一人勝手に奇妙なマシンを作り始め、周囲から孤立してながらも作業を進め、クロスワードパズルの天才ジョーン(キーラ・ナイトレイ)のサポートにより、仲間とも心が通い合ったチューリングは、遂にエニグマを解読するが、本当の戦いはここからだった…
・本作は「エニグマ」解読によりナチスドイツの侵攻からイギリスを救い、推定1,400万人の命を救いながら、極秘作戦であるが故に偉業を讃えられることもなく、逆に同性愛者として社会隔離されたチューリングの人生の悲哀を描いている。
・本作のラストでは、2013年に「死語恩赦」を受け、「エニグマ」解読の功績と彼の研究が後世の「コンピューター」につながっていることが語られている。
②時代背景を学ぶ
・本作の隠れたテーマはLGBTに対する社会
隔離である。
・イギリスでは、1885年から1967年にかけて49,000人が同性愛の男性がわいせつ罪で有罪となっている。また、2009年 9月10日ブラウン首相（当時）が同性愛者だったアラン・チューリングに対して、刑務所への収監と引き換えにホルモン療法を施したことを正式に(死語)謝罪している。
・ビートルズ登場後の60'sまで、このような悪法があったことは忘れてはいけない。
③結び…本作の見処は？
○: 精神疾患を持つアラン・チューリングの不安定感をベネディクト・カンバーバッチが熱演。
○: 真のテーマLGBTに対する差別がナチスよりも醜く描かれる。恩赦されるのは、チューニングではなく、政府のほうであることに気付かされる。
▲: 暗号解読に向けた実話映画であるが、映画では30分を遺し、早めに終戦。終盤は少し物足りない。
