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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のoのレビュー・感想・評価

4.2
アラン・チューリングの寄宿学校時代のいじめと友情、戦争中の暗号解読、戦後の迫害と孤独の話。

寄宿学校時代、暗号というものを初めて教えてくれた初恋相手との会話。
「暗号と秘密は違う。暗号は誰にでも読めるけど鍵がないと内容は理解できないんだ」
「話す時とどう違うの?本当の意味ではなく別の言い方をするけど、相手は理解するよね」
「きっと君はこれに向いているよ」

チューリングはラブレターを暗号で書くが渡す前に初恋相手は亡くなってしまい、
戦争中に開発した暗号解読の機械に死んだ初恋相手と同じ名前を付ける。
戦争が終わってからも、初恋相手を取り戻そうとするかのように、人間と区別不可能なほどの知性を持つ機械を目指して改良を続ける。

作品中で警察やスパイとの駆け引き、暗号解読への従事や解読成功の事実を隠すことなど、本心を隠した言動がチューリングの周りに積み重なり、それらは誰にも理解されることがない。その度に、あのラブレターの暗号を解読して本心を理解してくれるはずだった初恋相手がもういないことが意識される。
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