『エド・ウッド』のような実話をもとにした作品もしっかり撮れるんだな…と感心する気持ちもありつつ。
マーガレット（エイミー・アダムス）の感情がいまいち読み取れない演技だった。喜怒哀楽の感情にいつも「困っている」という顔。それに反して夫・ウォルター（クリストフ・ヴァルツ）は過剰なほどの表情で相手を追い詰めているように見える。絵画のテーマであるはずの子どもが主軸で進む作品かと思いきや、中盤ではもはや除外されており、ほぼ無関係の存在である。マーガレットの対にいるのは夫のウォルター、もしくは自分の描いた『ビッグ・アイズ』であり、マーガレットの母親像はどこにもないように感じる。
