ミルトン

ビッグ・アイズのミルトンのレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
4.0
“作品の価値ってなんだろう?”

ティムバートン作品ということで鑑賞。作家や画家などのクリエイター、またそれらを目指している人から見ると感じるものが多いんじゃないかなと思いました。ティムバートンの生み出す哀しさ、清々しいような雰囲気のふわっと香る伝記もの。
画家らしい雰囲気を発するマーガレットと利己的で吐き気を感じるくらいイライラして仕方ない前夫ウォルターをエイミーアダムスとクリストフウォルツが熱演。

初めに書いたように今作で一番感じたのが“作品の価値”について。音楽でも絵でも映画でも、芸術作品の価値の基準はとても曖昧なところにあると思う。露店でマーガレットの似顔絵を買ったお父さんのように、一つの作品を「1ドルでどう?」と値付ける人もいれば、口達者なウォルターの手にかけることで「傑作だ、100ドルで頂こう!」という人もきっといるはず。作品の魅力を説明したり制作の経緯を知って価値が上がるものはいくつもあると思います。

ではクリエイターにとって1番大切なこととは一体何なのだろう。誰かに幸せになってもらうこと?有名になること?讃えられること?ものを生み出す人は誰でも一度は向き合う疑問点だと思う。

功績を残した人として名声を求め讃えられたいのかもしれないし、ただ純粋に人に楽しんでもらうだけのために作品を作り続けるのかもしれない。作り続けた先に名声が降り注ぐのかもしれない。

いずれ自分で作ったモノを世の中に発表して人に評価されるようなことがこれからあるのだろうかと考えている自分からすればまだまだ未知の部分が多いけれど、自分が持つ自分の作品に対する愛は大切にしたいと思ったし、山ほど新しい課題を発見できた作品でした。
はやくティムバートン監督、マーガレット本人と対談ができるくらいの領域に踏み込みたい。
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