いずみ

ジャンヌ・ダルク裁判のいずみのレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダルク裁判(1962年製作の映画)
4.2
ブレッソンは本当に手と足が大好きだしよく覗く。ほぼ同じようなシークエンスが60分ほど続いてるかのようになのに、同じに見えないショットがすごすぎる。鎖で足を繋がれているジャンヌのショットが何度も羅列しているのに教会の下に従うか否か決断を迫られているときの感情と平行している脚のショットに思える。
これはクレショフ実験と少し似ている部分があるしブレッソンはクレショフ実験を信仰しているのではと思った。覗くシーンも最初は英国兵と思われる目だけが覗き穴から見えるのだがこれも最後には胴体まで見えてしまう。この意味というのはジャンヌダルクの死への追い詰め、興味の感情→体ごと火形に罰せられろという更なる要求、そして救済の手は去るだろうという予言の現れだと個人的に思う。冒頭、ジャンヌの背中に手を添えているシーンから。もうこの時点で神に対する信仰を捨てないという祈りの手という意味でいい意味できつい。
ラストのジャンヌダルクが火形に罰せらにいく歩く彼女の足だけを映したショットとザッザという引きずるような足音には見ていられなかった。ドライヤーの裁かるゞジャンヌの顔のショットの繋ぎの緊張感はいい意味であからさまで緊張感を煽りやすいが、本作は違う。
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