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毛皮のヴィーナスのPOPCORNのレビュー・感想・評価

毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)
3.3
登場人物は2人、女優と演出家、そしてSMの話なんですが、これが成立してしまう不思議な展開。

2人の関係が観るものの思考を狂わせ、ラストまで幻想と現実がいったりきたり…。
この感覚が好みな味付けか、嫌いな味付けか。
ロマン・ポランスキー監督の新境地でしょう。
私は好きでした。

「痛みは最も官能的な感覚で、恥辱こそ最高の快楽だ」なんてコトを口にする演出家の男トマ。
元からマゾッけがあって、それを自ら書いた脚本に登場する〝奴隷を支配するヴィーナス″=ワンダに女優ワンダ(同名)を重ねてしまう。
そして「ワンダ、私は苦痛を、あなたは快楽を求める、私はあなたの好きに弄びー支配し苦しめる」なーんて関係へと…発展する。やがて演出家トマは役柄クシェムスキーへ自分を投影し、目の前の女優ワンダに対しては役柄ワンダを同一視していく…。

〝マゾヒズム″の語源にあたるL・ザッヘル=マゾッホの1870年の小説『毛皮を着たヴィーナス』を基にした戯曲を映像化した物語。

ストーリーは…
お高くとまった演出家トマ(マチュー・アマルリック)は、自分が書いた脚本「毛皮のヴィーナス」という演劇のオーディションで、遅刻してきた女優ワンダ(エマニュエル・セニエ)と運命の出会いを果たす。最初は肉体的にも年齢的にも役とは合致しない彼女に嫌悪感すら抱くトマだったが、印象とは裏腹にセリフもすべて頭にたたき込み、役がのり移ったかの如く演じる彼女に、徐々に不思議な魅力を感じ始める。セリフを重ね続ける二人。やがて、トマとワンダの関係に変化が…。
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