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毛皮のヴィーナスのcoroのレビュー・感想・評価

毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)
3.6
オーディションに遅れてやってくる女優と帰り支度をしていた監督ふたりきりの妄想劇場。

会話しているとお互いが混乱してくる様や、お互いを求めているのにお互いを相殺し合っているふたりの、逆転していく主従関係と書かれた戯曲とのバランスが絶妙なので、あっと言う間に引き込まれていく。
ちょっと下品で歳のいった天使にも悪魔にも見える彼女に翻弄されていく、潜水服を脱いだマチューアマルリックがどちらの役に扮するときもマゾっぽくて、その甘美なる痛みを待っている憐れな姿が繊細で可愛い。

服従するにつれ支配力が強まるなんて支離滅裂なことを言いながら彼女の手の中にいる彼は、もうここがどこかさえ分かっていない(笑)
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