バイオレンスとアクションのイメージが強いサム・ペキンパーとは思えない程、前者の要素は影を潜めており驚いた。
同じく西部開拓時代の末期を描いたレオーネの『ウエスタン(1968)』等とは対照的に、復讐に燃えるガンマンもいれば、その裏側では復讐なんかは二の次に、町の娼婦に恋なんてしてしまうような流れ者もいた事に何だかほっこりするような、ハートフルかつラブロマンスに仕上がった作品。
インチキ牧師の汚い恋心(笑)や早回しでの笑い等もありつつも、決めるとこは男らしくキメる。
他の西部劇の世界なんかは恐ろしくて行けたものではないが、この作品のアメリカ西部には入り込んでみたい。
ペキンパー自ら“ベスト・フィルム”と言うだけはある。非常に好み。
変わり行く時代の中で生き抜いた男の物語。
ー”無様な乗り物だ!”