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砂漠の流れ者のmasayaanのレビュー・感想・評価

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)
3.0
まず、『砂漠の流れ者』などといういかにも西部劇風の邦題が決定的に間違っていて、なぜならこれは、荒野を疾走するヒップな流れ者ではなく、極めて反西部劇的な「定住者」の物語なのだから。その意味では反ヒップ的とも言えて、愛する女と新婚気分で定住生活...などという牧歌的なテーマは、このペキンパーという作家がどのような視線を西部劇に向けていたかを浮き彫りにしている。

あるいは御大によれば....ここでの水源発見者・ケーブルは、ペキンパー的な「契約」の世界を象徴する存在でもあって、確かに、町に流れ着いて真っ先に登記所にかけていく主人公などかつて西部劇の中で見た事がない。自分を砂漠に置き去りにしたかつての仲間への復讐は、果たして忘れられてしまうのか。その時、西部劇は供養してもらえるのだろうか。しかし、尻や胸の谷間のクロースアップはさすがにちょっと....ね。
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