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それでも恋するバルセロナのRのレビュー・感想・評価

それでも恋するバルセロナ(2008年製作の映画)
4.5
ウディアレン再び。だんだん分かってきた。この人って結構言ってることが一貫してて、ホントにいろーんなジャンルでそれを表現してる。一言で言うと、あきらめ、でしょうか。どーせ運命の流転のなすがまま、どーにもならない人生。変に気張るよりは諦めてしまいましょう。Let it be。Let it be。昔の作品はそのことに対してウディアレン本人が作中でグチグチぼやいてるのがウザくて、面白いけど好きじゃないって感じだったのだが、最近の作品は職人的に淡々と仕事をこなしてる感が出てて、サラッとしててとても好き。諦観から嫌味くささが消えて、どっちかというと単純にリアリスティックにどうしようもなさを切り取ってる。何か人生の皮肉コラージュ作品群みたい。良いですねー! あと、画がすごく好き。人物との距離感とか、映像の雰囲気とか、色味とかめちゃめちゃ好み。ずっと見ていたい。本作は舞台がバルセロナ、スペインの香しさが匂い立つような色気たっぷりの映像が始終夢のよう。はぁー、行ってみたい…とため息。観光映画としては最高の一作でしょう。ロマンティックコメディーとしては、かなりクセが強くて独特。正反対の性格の女の子ふたりが、バルセロナにバカンスにやって来る。慎重で安定を求めるヴィッキー、自由奔放なクリスティーナ。そして、彼らが出会うボヘミアンなアーティストのアントニオ。ヴィッキーはレベッカホールという見たことない女優が演じてて、安定のフィアンセがいながらアントニオのパッションと程よいビースト感に価値観を揺さぶられ、あたふた戸惑いまくってる姿がリアルですごく良い。やっぱ女って何だかんだで自分の世界を揺さぶる男に惹かれるし、揺さぶられたときのトキメキに弱いよな、と思った。安定系の男は注意した方がいいよ! すぐ浮気されるよ!笑 で、クリスティーナを演じるのが、いままで見た中で本作が最も魅力的なスカーレットヨハンソン。ブロンドヘアがスタイリッシュ、オープンでルーズな雰囲気がエロカッコいい。こっちはふつーにアバンチュール大好きなので、大喜びでアントニオとセックス!ってところで胃潰瘍…は笑った! で、この3人の心地よいスペインでのからみが、気だるいムードの中でとてもリラックシング。ウディアレンにしては皮肉が効いてない、これもこれでいいな、と思ってると、すげー激しい女が出てきます。それがアントニオの元妻マリア。ペネロペクルスがスゴイ! それまですごく魅力的に見えていたヴィッキーもクリスティーナも一気に雑魚レベルに霞んでしまう! すげーーー!!! 何と強烈な魅力! 一気に心持っていかれる! マリアは激情のアーティストで、最初はめちゃくちゃクリスティーナに噛みつくんやけど、だんだん仲良くなってって、写真芸術をクリスティーナに教えてあげる。その被写体になってるペネロペが鳥肌立つくらいカッコいい!!! ペネロペも本格がキャリアで一番じゃなかろうか! そー考えると、ウディアレンの女優の魅力の引き出し具合はヤバイ。この4人が大変なロマンスを紡いで、どーなるんやろーとワクワク。何か若干脚本に、テキトーな展開を繋げていっただけみたいな行き当たりばったり感がある気がするんやけど、それすら力の抜けた魅力になってて、素晴らしかったです。ボクはオープンリレーションシップ賛同派なので、本作のヨーロピアンな好色っぷり、すごく心地よかったけど、日本的価値観を強く持ってる人は、はぁ?ってなるかもしれません笑 が、女の気持ちの動きはめちゃくちゃリアルで、男性諸君は参考にしたほうが良いと思われます。で、いよいよ最後についにアレン君の皮肉な諦観があらわになって、脱力。あ〜あ。でも、しょ〜がないよね、なエンディング。だらだら引っ張らずにはい、おわり、とバッサリ幕引き。すごく好き! あ、あとスパニッシュな音楽がサイコー!!! サイコー!!! まじサイコー!!! 寒い冬にずっと流しとくと、ちょっとは気分があたたかくなりそうなウォームでエアリーなサウンド! 見終わったあと何度も聴き返しました。ウディアレンをまだまだ攻めてみたいと思う我がハートにさらに火がついた!