『裏切りのサーカス』のジョン・ル・カレが原作。淡々と進む話の中にそれぞれの思いが静かにぶつかり合っていく。
アクション全開のスパイ物とは異なり人間の心理を細やかに描いている。これがリアルなんだろうな。
人物描写に関しては、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるバッハマンが、よれた服と常に吸うタバコ、だらしない体型から見るにイカニモな敏腕スパイではない。しかしその風貌が相手との心の距離を縮めるのに十二分に役立っている。
諜報活動を通じての緊迫した空気が伝わってきた。
やはりスパイは敵味方関係なく信用してはいけない、見せるべき情報とそうでない情報とを分けないといけないなって。
『アバウトタイム』『君に読む物語』で可愛いに全振りしていたレイチェル・マクアダムスの、違う一面が見れたのも良いポイント。
全体的に俳優が豪華。ウィレム・デフォーはスパイダーマンの頃の悪のイメージが強すぎた。でもいい味