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しあわせの帰る場所のSPNminacoのレビュー・感想・評価

しあわせの帰る場所(2008年製作の映画)
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息子を目の敵にして責める父ウィレム・デフォー、傷ついて父を憎む息子、慰める母ジュリア・ロバーツ。その家で同居することになった年の近い叔母。続いて現代を舞台に、帰省したライアン・レイノルズと妹が再会。すると、デフォーとロバーツが乗った車に少年が飛び出して来て事故を起こす。
…レイノルズが後の息子なのは察したが、しばらくの間、時制と人物が混乱する構成だ。過去も現代もドライヴする場面を重ねてあり、デフォーとロバーツが老けて見えず、しかも少年と昔のレイノルズが紛らわしいので、もしや時空を超えたSF?かと思っちゃった。えっ、妹いたの?って話だし。
要するに、少年の母エミリー・ワトソンはレイノルズの叔母であり、2人は子供時代の思い出を共有する親友的関係。憎き父とは今だに確執してる。息子ばかり責める父。その父を責めた母。妻を責めるレイノルズ。事故の原因を作った自分を責める少年。映画は過去と現在を重ね合わせ、突然の母の死を弔いながら、改めて家族と向き合う…のだが。
いやいや、物語の大事な部分を思い切りすっ飛ばして急にまとめられても訳わかんないぞ!父親は自分の劣等感や弱さを息子に八つ当たりの虐待しといて、それでも心入れ替えて幸せな時期もあったとされるけど、でも作家になったレイノルズは著作で復讐しようとしてた訳で。それをいつの間に許したの?妹は?秘密を持ってた母は?叔母さんとはそれだけ?野球に魚釣りに蛍、亡き人を思う時計のエピソードと時間や人物の繋がりとか、本当は大河ドラマとして連綿と描かれ見えてくるはずの家族サーガを強引に端折ったとしか思えない。しかも一番観たいところを。デフォーや子役たちの演技は良いのだが、展開の裏付けが足りなすぎ。どうしてこうなった。
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