現実逃避帰国準備

ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たちの現実逃避帰国準備のレビュー・感想・評価

4.0
『Black Death』(2010)ショーン・ビーンが出てるから観てみたら、面白かった。『Game of Thrones』が始まる1年前に、まるで『Game of Thrones』の様な映画に出てたのね。ほんと、音消して映像だけ見たら、『Game of Thrones』かと思っちゃう。

この邦題『ゴッドオブウォー 導かれし勇者たち ネクロマンサーを征伐し世界を救え』って、戦いの神って話でもないし、そんな様な登場人物もいないし、世界を救う話でもないし。ポスター/ジャケ写は、『ロード・オブ・ザ・リング』を参考にしてデザインしたのか?ファンタジーアドベンチャーのイメージで、ミスリーディングまっしぐら。これじゃあ、ファンタジーアドベンチャーを期待して観た人達は、がっかりして評価下がるし、リアリスティックな歴史もの観たい人達は見逃しちゃって評価は上がらず。

それに、Filmarks、この映画の製造国アメリカになってる。イギリスとドイツなのに。

『Fantastic Beast』のエディ・レッドメインがショーン・ビーンとダブル主演。
『Game of Thrones』からRed Witch(カリス・ファン・ハウテン)も出てた、しかも同じ魔女の様な役。

ストリーミングサービスのキャッチコピーに書いてあった「There’s something deeply comforting about watching Sean Bean and Eddie Redmayne take on bubonic plague.」に同意。この二人、安心感を与える役者達。


『Black Death』は、1348年のイギリス、ペスト黒死病がアウトブレイクした直後の話。

黒死病パンデミックは、1347年〜1351年の間続いたそうで、死者数は2億人で歴史上最悪。因みに、新型コロナは今日の時点で38万人。

当時の人達の黒死病に対する気持ちや見解が描かれてる。この黒死病の蔓延は、自分達の行ってきた罪に対しての神からの罰だとか、悪魔の仕業だとか疑心暗鬼になったり。 新型コロナに対して、動物から感染が始まっただとか、研究所から漏れたとか、どっかの国の陰謀だとか、一人一人みんな違った捉え方、憶測をしているのと同じ様。

この時代のリアルな描写がベースに流れる中、黒死病が全く蔓延してない村があり、それが黒魔術の仕業に違いないと、大司教の命令で、その特使と若い修道士が、賞金稼ぎなどの戦士達と共に黒魔術師を捕えに行く。

この映画の根底には、キリスト教の是非を問う要素が入っていて、それが、キリスト教信者が多い欧米で評価が分かれる原因だと思う。

Gory and violent

『Game of Thrones』で血みどろでGrossな拷問や戦いに免疫ついてたからまだ良かったけど、そういう耐性が無い人は要注意。ショーン・ビーンの騎士姿が見れて良かったけど、、、。


スポイラーアラート↓







沼地がキー。黒魔術でも、薬草のお陰でもなんでもなく、沼地のお陰で村が世間から隔離されていたが為に、黒死病原菌が村に入ってこなかっただけ。キリスト教を信じてようが信じてないようが、黒死病には勝てない。魔術なんかも存在しない。そういう存在を信じた人達、時代について、この映画は、最初から最後までとてもリアリスティックに描いている。Stay homeしか方法がないよっていうとても現実的なメッセージ。

愛する人を実は自分が殺しちゃったと知らされたオズマンド、修道士辞めて、魔女狩りに。精神いっちゃって、美しい女性がみんなLangivaに見えちゃって拷問する。被害者だった筈がショックで精神疾患になり、結果加害者になる皮肉なオチといえば、5/22に観た映画『****』を思い出した。

いくらショーン・ビーンが死ぬ役が多い役者だからって、腕もぎ取られる死に方、痛い~。

6/2/2020
Crackle, TUBI