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フリクリのmitakosamaのレビュー・感想・評価

フリクリ(2000年製作の映画)
3.4
当時はエヴァで勢いのままカレカノやアベノ橋魔法商店街など精力的に作品を作っていたガイナックス。そんな中での鶴巻和哉初監督作。早くもその作家性が爆発してるね。

00年代初頭。この時期はギャグアニメの表現方法が新しくなり元気あったのよね。ワタナベシンイチの“はれときどきぶた”“エクセルサーガ”、大地丙太郎の“十兵衛ちゃん”、水島努の“ハレのちグゥ”
テンション高めなボケとツッコミ。キャラクターがぐにゅぐにゅ動くアニメーションの滑稽さ。

そういう時代のハイテンションギャグの数々。またルパンやサウスパークなどのパロディの多さ。
また、マンガのコマ割風に場面転換するシーンなど滅茶苦茶凝ってる。遊び心満載。

日常に非日常が割り込む不条理感。
小学生ナオ太の前に現れた謎の女ハル子。ベスパを駆り、ベースギターでぶん殴る。ナオ太のオデコから現れたロボット。家族や同級生を巻き込むシュールな騒動。

これらの逆とは別に、鶴巻の描くキャラクターのもつコンプレックスが実に痛々しい。こういう描写が他のギャグ作家とは一線を画すんだね。

アニメ好きなマニア・オタクなテイストと、ポップカルチャーやサブカル系のオシャレ感のマッチングも上手い。演出家のセンスの良さが全面に出た作品だと思う。
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