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女神は二度微笑むのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

女神は二度微笑む(2012年製作の映画)
4.0

強い女性🎬

ストーリーは失踪した夫を捜すためにロンドからコルカタへとやって来た主人公に待ち受ける過酷な運命と驚愕の真実を描いた作品でした。今作はインド映画の新たな境地。今やインドはアメリカに唯一対抗できる国になりましたね。制作本数は世界一で1年間で約900本以上制作され、2位のアメリカにトリプルスコアです。インド映画といえばミュージカルがスタンダードで1作に6、7曲の歌やダンスシーンが盛り込まれています。しかし今作はこれまでのインド映画とは一線を画するヒューマン・ミステリーでした。夫の失踪事件を追う若い女性のストーリーを軸に、腐敗したインド社会にメスを入れた今作は二転三転するストーリー展開とラストの結末は鳥肌ものです。男性中心のインド社会で女性を中心に添えた映画はまたまだ少ないです。そういう意味でも今作はインド映画界にとって革新的、転換期にあたる作品だと思いました。ラストのドゥルガー・プージャーの祭りは10月ごろに行われる女神ドゥルガーに祈りを捧げる祭で、ベンガル地方では盛大に行われものです。ドゥルガーはヒンドゥー教の女神で、その名は「近づき難い者」を意味し、外見は優美で美しいが実際は激烈な気性を兼ね備えた恐るべき戦いの女神と言われています。まさに今作の主人公そのものです。邦題の「女神は二度微笑む」の女神とはドゥルガーのことで、美しい女神としての微笑みと強い女神としての微笑みのふたつの微笑みを、二度微笑むと表現したと思いました。また今作を盛り上げているのが誠実だが少々頼りない警察官ラナとエリートだが粗野な捜査官カーンです。この対照的な二人の存在が、主人公ヴィディヤの美しさと強さを際立たせていました。
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