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聖杯たちの騎士のネットのレビュー・感想・評価

聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)
2.5
つまらない映画であることは見る前からわかってるので、それを踏まえた上で何が見えるか。
細かく断片化された映像、時系列もへったくりもない映像の集まりから物語を見出そうとする語りは、新しい映画の指針として間違ってはないと思う。まあ、ホセ・ルイス・ゲリンはそれを90年代末に既に成し遂げているんだけどね。

ハスミンによる「ツリー・オブ・ライフ」酷評に対するツイートの一つに、観客が持つ寛容さの軽視はマリックに限らず近年のゴダールも同じじゃん?という旨のツイートがあった。https://twitter.com/kiyoakiokubo/status/112307026574573568?s=21
それが正しいかは知らないけど、コントラストのキツいDVカメラの映像や、シネマカメラでないカメラによるホームビデオの多用は確かにゴダールっぽい。
しかし、マリックは見つめ続けることができないというのは確かにある。どのカットも短い。だからPVっぽくなる。印象しか残らない。
あと、マリックのナレーションは問いとか単語とかが多くて、時たま強烈な信念が垣間見えて感動的なゴダールの文章とは全然違う。

高所から海面へジャンプという、誰もが撮りたいであろう瞬間も撮らない。これは意図的なのか?
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