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聖杯たちの騎士の2000のネタバレレビュー・内容・結末

聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

自伝ならなんつーか結局自身の恋愛礼賛が根本なんでしょうけど。愛を知る事、自身の居るこの瞬間を完璧だと知る(=肯定する)事、道を踏み外す時もあれど道理的に正しい崇高な選択をせんという心を持ち努力する事。なんか倫理哲学ってやはり普通の事を言ってるのだな。あと挿入曲のペールギュント、男が善も悪にもにも勘定されない「中庸なおのれ」を思い知る一生の話なのか。

大筋の「人の生という概念」の解釈という点では好み。この哲学的な理屈による人生の意味の見出し方には賛同できる。生きる意味を追求する上で、愛という、本人の快楽というか幸福が生の土台にあるのも理に適う。
この抽象的寓話の主人公として普遍性を持った偶像の様な自己、を演じられるのはベールの内包するベーシックな男性像ならではかと。
主観的な、自分が生きている意味と生を続ける意義を見失った人にはこの説明的な思考作品の意図は共感できるのでは。人間の人生は外の評価で見れば間違え完璧ではないが、心の内側で人生の脚本をどんな風でも望む解釈で描けるのが自分自身、って事かな。

この映画を見た当時、今まで見た映画で一番好きかもしれない。と言った、自分の感想が全てなのかも。
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