emily

ヤング・アダルト・ニューヨークのemilyのレビュー・感想・評価

3.8
8年新作ができないドキュメンタリー映画監督のジョシュと妻のコーネリア。二度の流産を隔て40代、二人の生活は穏やかだが何か物足りなさを感じていた。そんな時ジェレミーとダビーという20代のカップルに出会う。古風な彼らはレトロなものに囲まれて暮らしており、ジョシュ達は惹かれていく。

生命の誕生からはじまり、熟年夫婦の心の隙間をみせ、古き良きものを愛する20代と新しいものを必死で追う40代夫婦のギャップを見せていく。質の良い音楽とスタイリッシュな切り替えにより、 世代の違いにより超えられない体の違いや埋められない溝を必死で埋めようとする40代をコミカルに描写する。

徐々に合わせようとする姿が、傍目には時に痛々しく、しかし本人達は一切気がつかない。ドキュメンタリー映画の撮影を通じてリアルに踊らされる彼ら、必死になればなるほど哀れで、ポップテイストで描かれてるからなおさらその悲壮感が浮き彫りになる。

違和感を感じながら、無理に合わせようとすれば大切なことが見えてくる。譲れないもの、しかしそれこそが大切で、曲げてはいけない部分である。人は簡単に変わらない。しかし変わらないことが大事だったりもする。本当に大切な事は、不器用でも結果につながらなくても、人がどう思おうと守る必要がある。いろんな人がいる。それでいい。変わる必要なんてなくて、自分を受け入れ現実を受け入れ生きていくことが大切。若いとか歳だとか関係なく、いくつになっても大切な事は貫いて自分らしく生きていくことが心の若さだと思う。
emily

emily