Kaoru

ローマ環状線、めぐりゆく人生たちのKaoruのレビュー・感想・評価

3.8
イタリア映画だから、ちょっとうるさいわよ笑。

人々の生活のドキュメント。たくさんの人の生きている様をパッチワークのように見れます。

まずこの作品はちょっと補足が必要かもしれない。

少し前に、都市計画専門家のバセッティさんって人が、環状線をネタに、書籍、映画、写真や展覧会などのメディアを通じてローマのアイデンティティをもう一度見直そうと思い立った「Sacro」というプロジェクトがそもそものはじまりなんだとか。

そのバセッティさん直々に映画を依頼されたのがこの作品の監督、ロージさんなのだけれど、このロージさんも初めはいやいやいやいやと断ったのだとか。
バセッティさん強行に出て、監督を環状線まで連れていくと、瞬殺で恋に落ちたのですって。

なぜに環状線よ?ってお思いでしょぅ。でもね環状線って、はじまりも終わりもないじゃない?それと人々が紡ぐ物語ってのは実に相性のいいテーマなのだと思う。

なぜ世の中の人々が動物をテーマにした映画を好むのかと言えば、演技ではない素性に惹きつけられるのだと思うの。(まぁ中には演技の上手い動物もおりますがのw)
人間がカメラを向けられた時に100%カメラの存在をないものにして、日常生活を送るってのはもぅほぼ無理だと思うのですよね。

この作品はね、誰1人としてカメラ目線の人がいない。いろんな会話、いろんなストーリーを超客観的に鳥的な視点で観ているわけです。監督はね、出演者(みんなほんまもんのシロウト)が監督のこともカメラのことも心から受け入れてもえらえるよう、撮影すらしないでコミュニケーションだけをとることに1年使ってるのですって。
で、しれっと撮っちゃう、みたいな。監督が来日した際に聞いたんだからホントよっ。

そうやって、受け入れてもらって、馴染んで、撮って、人々が生きる力強い部分だけを切り貼りして作ったのがこの作品なのですって。

どんな人生にも愛すべき力強い部分は必ずあるのよね。
普通の庶民が、愛しく、ステキに思えて仕方がない作品でしたょアタシわ。