ちろる

曼陀羅のちろるのレビュー・感想・評価

曼陀羅(1971年製作の映画)
3.6
小さなモーテルで二つの大学生カップルが、恋人交換をする。
信一と由紀子は、モーテル近くの海岸に出るが、モーテルの支配人真木の部下によって信一は襲われ、由紀子は犯されてしまうのだが意識が戻ったのち、裸で意識を失っている由紀子を抱くと、真一はこれまで感じたことのなかった快楽を感じるようになる。

モーテルの支配人真木は、夫婦で農業とエロチシズムを追求したユートピアと呼ばれるカルト集団の住人で、2人は海岸での快楽をキッカケにこの夫婦に心酔するようになる。
のちに裕と康子カップルも引き入れられそうになるが、、裕はユートピアは空想であり、夢、幻のようなものだと言い、このユートピアを否定し、別部屋にいた康子は、知らぬ間にこのユートピア団体の加虐的儀式の餌食となる。
そしてそれは、このユートピアの崩壊の始まりでもあった・・・

実相寺監督独特の手法やシュールな映像,や音楽、観念的な物語が展開される本作は実にATGらしい。
何から何までまで意味不明な怪作ではあるが、この時代多く存在したであろう若者たちの革命ごっこの不完全さを示しているようにも見える。
実相寺アングルと呼ばれるものは一見の価値はあるが、かなり陰鬱なエロティックな世界なので、グロいわけではないが観てると病んできてしまう。
体調は整えてから観る事をお勧めしたい。
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