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ネイバーズの東京キネマのレビュー・感想・評価

ネイバーズ(2014年製作の映画)
2.5
わたし、正直言ってこういった「クレージー・パーティ」もののコメディって大好きなんですよ。古くはピーター・セラーズの『パーティ』(1968年)やジョン・ベルーシの『アニマル・ハウス』(1978年)など、思い出すだけでも腹筋崩壊する名作が沢山ありますしね。まあ、アメリカン・コメディの伝統ですかね。というか、カオスを笑うというアメリカ人の性癖なのかも。。。

本作は2014年にアメリカで公開しましたが、いつもの通り、日本では劇場未公開のDVDスルー。Wikiによれば、製作費1,800万ドルに対して全米興収1億5,000万ドル、全世界では2億7,000万ドルの興収ですから、はっきり言いましてぼろ儲けです。なので、当然期待して見たんですが、ぜんぜんダメですね、これ。下品な下ネタばかりっていうのはいいんですよ。でもね、ぜんぜん笑えないの、ネタがセコすぎて。

でね、考えてみたんですよ。このレベルの映画で大ヒットというのは、おそらく競合商品が少ない、つまり、筋のいいシナリオ・ライターやギャグ・ライターが居なくなったせいで、アメリカではもう筋のいいコメディが作れなくなったってことじゃないかって。ご存知の方も多いとは思いますが、アメリカでは2007年~2008年にかけて脚本家組合のストがありましてね、この影響で関係者含め3万8,000人が失職、カリフォルニア州の経済損失が21億ドルなんてニュースになってました。コメディって、結局シナリオと演者だけの世界ですからね。こういった状況になると直接的な影響は必ず出てくるんですよね。前掲の2作品にしても、ギャグのセンスだけじゃなく、俯瞰すればアメリカ文化論にもなっているってくらい脚本のレベルが高かった訳でね。ギャグの羅列だけじゃ勝手知ったる大人は乗れないのですよ。でも、まあ瞬間腹筋運動だと割り切って見る分には良いとは思いますが。

ただし、青筋たったローズ・バーンの搾乳前のグロテスクなオッパイは見たくなかったなあ。。。あれは、トラウマになりますよ(笑)
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