ギズモX

シャイニングのギズモXのレビュー・感想・評価

シャイニング(1997年製作の映画)
3.4
キューブリック版『シャイニング』にブチ切れたスティーブンキングが自分の書いた小説のストーリーに沿って作り直したドラマ映画。

全三話の作品で一話が大体1時間半。
全部合わせて4時間半!
とにかく長い!長かった!

作品自体は謎が謎を呼んだキューブリック版の答え合わせの様な映画で、演出を弱めて一新したような感じ。
かなり明るめで顔芸はない。
ごめんあった。アヒル口。

キューブリック版ではジャックニコルソンが演じた主人公のトランスは、この作品では『タクシードライバー』のトラヴィスみたいな奴。
アルコール中毒者としての面が強くなっており、使用する武器も斧からハンマーに変わっている。

オカンもキューブリック版では超ナヨナヨした性格だったが、こっちは段々おかしくなるトランスに対して意見を言ったり行動したりと『家族の一員』として立ち回っており、
あの有名なドアのシーンでも何度も切りつけてバトルするなど明らかに強くなっている。

長い作品だから中だるみを感じるし、怖さを求めたホラーな作品ではないものの、元よりもドラマ性が高く、中でも酒による禁断症状によってイカれていく描写が凄い。
酒絶ってる人は観ないほうがいいかも。
途中マジで呑みたくなってくるから。

『シャイニング』の続編『ドクタースリープ』はキューブリック版をリスペクトした演出に目が行きがちだけど、ストーリーとかの下敷きはこの作品にあると思う。

監督は多くのスティーブンキング作品を手がけ、後にドラマ『マスターズオブホラー』を出かけることとなるミックギャリス。

『ドクタースリープ』がより面白くなる作品です。

これ観た後にキューブリック版を鑑賞すると、ジャックニコルソンが破壊兵器すぎて笑える。

「皆さん。パーティーは終わりだ」
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