れれれざうるす

不機嫌なママにメルシィ!のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

不機嫌なママにメルシィ!(2013年製作の映画)
3.4
ギョーム・ガリエンヌが監督&脚本&一人二役&半自伝映画…というのを鑑賞後Filmarks開いてやっと知った!え?凄すぎない?これ自伝?息子役と母役両方演じてるとか全く気付かなかった。こちらなかなか複雑で単純な話です。同性愛者でも性同一性障害でも女装癖でもなく、ただ“母は永遠の憧れ”で、ごく普通の“母と息子”の話なんですよね。とは言え「自分は女だから異性愛者だ」と思う辺りはマイノリティではあるけども。どこの家庭でも生まれたときから“母に教え込まれたことが全て”になるのは当たり前なこと。意外な着地点だけどそこでやっと邦題の意味がわかるんです。

「ゲイだ」「オカマだ」とイジメられる描写があってもコメディタッチになってしまうのはフランスお得意の黒い笑い。「メルシィ!人生」や「奇人たちの晩餐会」でも人を馬鹿にする描写で笑うような国(※比較的多いってこと)なのでおそらく本作でもイジメシーンは笑いどころなはず。

とにかくギョーム・ガリエンヌの歩く時・座る時・喋る時の爪先まで神経を行き渡らせた女らしい動き、そしてクールな母を熱演したのはお見事!