ネイティブアメリカンのジミーは第2次世界大戦から帰還後、原因のわからない諸症状に悩まされ軍の病院に入院する。そこで人類学者でもある精神分析医ジョルジュと出会い、対話診療を繰り返すうちにジミーは自らの心に潜む闇と向き合うことになる…。
1948年。「オキナワ帰りの緊張症のインディアン」と医師らの間で呼ばれ、持て余されていた患者ジミーのもとに、NYで仕事にあぶれていた精神科医ジョルジュがやってくるところから物語は始まる。
物語と言っても、至って静かな人間模様。
デルトロの発する訛りがあまりにも心地よく音楽のようで、字幕を忘れて聞き入った。
はじめに表記されるおことわり
「これは実話です。」は、なにも
「(信じられないかもしれませんが)これは(なんと)実話です。」の略ではない。
それを受け間違うと、次の驚きの展開、を常に期待してしまうことになる。
それはなんだか悲しいことだ。
麻痺かもしれない。
他ならぬ自分のことです。
善と悪に分けない
白にも黒にも軍配が上がらない映画も実によかった。