よへ

新宿スワンのよへのレビュー・感想・評価

新宿スワン(2015年製作の映画)
3.0
この作品を観始めた時、そして観終えた時、嫌悪感を持ちました。
人間は、根源的に、どこかで、暴力を求めているというかのように訴えかけてくる園子温監督らしい映画だと思いました。
今をときめく「東京卍リベンジャーズ」と同様、暴力的集団の中に、正義感や純粋さ、普通さがあって、不良を格好良く描き出す和久井健さんらしい原作だと思いました。

ヤクザの一員である主人公が人をしょっちゅう助ける、その際に、いくつか言葉も残す。
「男の子が女の子を守るのは当然だろ?」
「オレこの会社の社員である前に人として正義の味方でいたいんです。」
「アンタ一人置いて逃げんのはオレの美学に反しますから。」

せっかくいいものを持っているのに、力を持て余し過ぎて、そんな世界で、何格好つけちゃっているのか。と違和感を持ちました。
しかし、よく、よく、考えると、誰かを守る、笑顔をする、敵をやっつける、でもそんな敵ですら殴り合って分かり合ってしまう、とか、なんか、やっぱり憧れました。
もっと単細胞になった方がよいのだなとも思えました。
あれこれ考えずに、今、大事だと思うことを、無我夢中になって大事にする、ということ、大事だと思えました。
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