キミシマムザ裕君

新宿スワンのキミシマムザ裕君のレビュー・感想・評価

新宿スワン(2015年製作の映画)
3.0
仕事もなく新宿でふらふらしていた白鳥龍彦にスカウトマンの真虎が現れてスカウトにならないかと誘われるが・・・

『TOKYO TRIBE』『みんなエスパーだよ』でお馴染みの(笑)園子温監督によるスカウトマンバトル(笑)映画。
脚本はTVドラマが多い森三中の夫:鈴木おさむ
原作漫画は未読で鑑賞。

原作は読んでいないので比較はできないが、本作自体はう~んあまり面白いとは言えない,,,否、色々とダサイ演出が目立った気がする。
昨日鑑賞した同監督の名作『地獄でなぜ悪い』にて監督自身の魂の叫びとも呼べるあるキャラのセリフ

「そう、俺はたった1本の名作が作りたいだけなんだ。この世界にはくだらない映画監督はごまんといる。何本も何本も作って家を建てているバカ、どうでもいい映画ばっかり作って金をもらってるバカ、俺はそんなのは嫌だ!たった1本の映画でその名を刻む伝説の男になりたいんだ!」

これに感銘を受けたのも束の間、2015年の園子温は完全に資金稼ぎに走ってるというか敢えて適当に漫画を映画化する企画の監督を”任された”かのようなやっつけ仕事が多いような気がする。
あの名言で感動した心を返してくれ!(笑)
ということで脚本もTVドラマの鈴木おさむさんだし何かと規模が小さくてやってることもなんかダサイ。喧嘩のシーンもキャストの使い方も『クローズ』とかのヤンキー映画の焼き増しにしか見えなくて残念だ。
特に苛立ったのは音楽の使い方。これも製作委員会絡みなのか完全にビジネスの匂いしかしない。自分はバンドが結構好きなのでここで使われる曲自体は全く否定しない。MAN WITH A MISSION も UVERworld もアルバムは一応全部入ってるしそれなりのファンだ。しかしこの映画にあってるかと言われると全く合っていないと思う。使うタイミングも無理やりすぎてダサイ。まぁ商業映画のためのCM曲だと思えばどうでもよくなってしまうのだが園子温は本当に手を抜いてるんじゃないかと疑ってしまうレベルだ。

キャストはイケメン揃いで女性は必見。
主演の綾野剛は普段静かな役のイメージが強いので驚いた。
金髪で天パーという普段とは真逆のキャラでもしっかりはまってしまうのは演技力の賜物だろう。
ライバル役の山田孝之はさすがの迫力だ。
『クローズ ZERO』にて男女問わずにあのヤンキー姿に痺れた人は多いだろう。自分もそのうちの一人だ。今作では役が結構なクズ野郎なのにも関わらず山田孝之の魅力とカリスマで我々を惹きつけてしまうのだ!
かっこよすぎるぜオールバック!!
凛々しすぎるぜその眉毛!!
普段は毛が濃いぜ!
先輩役に伊勢谷友介。
ミステリアスで知的な役なんてピッタリな配役で映画の中でも存在感を放っていた。
ヒロインの沢尻えりかはそこまでだった。
堕ちたヘルス嬢の役なんて今の彼女にぴったりだと思ったが、想像していたよりもエッチなシーンもなく残念。ヤクに溺れてる姿を見る限りは演技力はまだ健在だ。
他にも女性人気の高い金子ノブアキやら顔芸の安田顕、いつも黒幕吉田剛太郎などみんなが知ってるキャスティングが目立った。
あと一言だけ文句を。
山田優はあの役を引き受けるならちゃんと脱げ!

新宿の暗部を描いた作品の割にはグロイシーンもエロいシーンもほとんどなくクリーンな印象で終わってしまった。やはりそういう面でも一般ウケを狙った作りだったのかな?とまた少し悲しくなってしまった。
内容的には普通のデートムービーとしてさくっと見れるとは思う。園子温監督の作品だと期待している変態ユーザーの方々にはオススメできない。

~オマケ~

そういえば新宿のスカウトマンだかキャッチだかになってあまり連絡を取らなくなってしまった大学の友人を思い出す。卒業できるのかな?
彼も今歌舞伎町のてっぺんを目指して日々頑張ってると思うとこの映画をとりあえず見せたいですね。

新宿が好き、原作漫画好き、イケメン俳優陣のファン、そしてスカウトマンになってみたい人にはオススメの作品。