ねまる

悼む人のねまるのレビュー・感想・評価

悼む人(2015年製作の映画)
3.5
椎名桔平と井浦新の演技力に殺される映画。

週刊誌の記者で、退廃的な男を演じている椎名桔平は、
ビール片手に悪態をつき、中学生と援助交際しているような最低の男なんだけど、
静人とその家族を繋ぐ存在であり、本編を通して彼自身が変わっていく様子がすごく上手い。

某ヤクザ映画の時のような、怖さもありながら、
はじめは軽蔑ししていた"悼む"行為によって変化していく観客に1番近い目線の存在なことのギャップがまた。

観客に近寄せすぎず、離しすぎないバランスを演じてるところに拍手。

逆に、全く観客を近寄せないキャラクター甲水朔也を怪しく色っぽく演じてる井浦新も光ってたなぁ。

「今から殺しまーす」
口に刃物を加え、ビデオカメラに向かって話す狂ったシーンから始まり、
死後なお奈義さんにつきまとう悪霊のような存在。

いつもの20%くらいしか目が開いていないような流し目をしてるから、
逆に目を開いてた時がまた恐ろしい。
普段のあの人のどこからこの表情や狂気が現れるのか謎過ぎて。

色んな新作品見てきたけど、
これはまた別格な演技してるなぁ。


というわけで、
作品に関しては正直よう理解出来なかったけど、
この二人の演技だけで満足出来ましたとさって話。
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