イペー

LUCY/ルーシーのイペーのレビュー・感想・評価

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)
3.5
Oh! 脳…!

人間の潜在的な能力を解放した女性、ルーシー。彼女が導くのは、人類にとって新たな進化の可能性であった。

ベッソンさん、コレに近い事は"フィフスエレメント"で一度やったじゃないですか…。
フィフス〜はベッソンさんの思春期の創作が下敷き。
女性が超越者になるという筋立ては、彼にとってのオブセッションなのでしょう。

そう考えると、90分弱の短尺にムリムリ詰め込んだこの荒唐無稽な作品も、ベッソン少年のキラキラした眼差しが頭に浮かんで嫌いにはなれない。

科学的知識に乏しい自分でも、いくら脳が活性化したって、そんなワケないだろう、と一目で分かるシーンが連発。ニューロンがアレコレしても、天井は歩けないよ。

小難しい話はモーガン・フリーマンに丸投げし、自らのイメージの奔流を、とにかくカッコ良いビジュアルで見せる事に夢中なベッソン少年。憎めません。

人間離れした女性、なおかつセクシー、でも少女っぽさもあり、というベッソンのミューズを本作ではスカヨハ嬢が演じています。

好き嫌いは別として、健闘していたと思います。相変わらずムチムチしつつ、変化の乏しい表情を見せ、上手いんだか何だかなアクションもこなしてました。(けなしてるつもりはないです)

マンガアニメに親しむ日本人であれば既視感ありまくりなラスト。広げ過ぎた大風呂敷を悪びれる事なく丸め込んだベッソン少年も、きっと満足気。うん、許せる。

賛否両論渦巻くのも、大いに頷ける作品です。否定派の皆様、ここはひとつ寛大な心でもって、ベッソン少年の純粋さを愛でてあげて下さい。ついでに完全なる上から目線のレビューを書いた私の事も、どうか許してやって下さい…。
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