「庭にプールを作ってくれたら泳ぐの見せてあげるのに」
「年寄りのくせにネッキングなんて贅沢よ」
死期に近づくほど脚への情熱(フェティシズム)が募っていく。仏足石か、勉強になった。家族も意外と理解があって、医者に「患者の異常性欲がその生命を支えているのかも」と言われる始末
足の拓本を取るシーンが長く、山村聰と若尾文子の体力の消耗が見る側にも感じ取れて、「拓本キレイに取れてよかったねおじいちゃん!」って思えた
映画はプール完成前で終わってしまったけれど、文子様が泳ぐ姿をおじいちゃんは存分に楽しめたのかしら
予告編では「『鍵』よりも異常性欲」とあったが、それは盛りすぎではなかろうか
タイトルだけで増村保造監督かと思っていたけど、木村恵吾だった。そつなく撮るというのが木村恵吾の印象だけど、山村聰と若尾文子だけでなく脇役もお見事で、このキワモノ文芸大作をキレイに整えた感じ(特にラストの拓本を眺めるシーンなんて、とても優しい)
増村版が見たいと思わないでもないけど、木村恵吾だからこそこんなに優しい映画になったのだな