あかつか

瘋癲老人日記のあかつかのレビュー・感想・評価

瘋癲老人日記(1962年製作の映画)
4.0
「庭にプールを作ってくれたら泳ぐの見せてあげるのに」
「年寄りのくせにネッキングなんて贅沢よ」

死期に近づくほど脚への情熱(フェティシズム)が募っていく。仏足石か、勉強になった。家族も意外と理解があって、医者に「患者の異常性欲がその生命を支えているのかも」と言われる始末

足の拓本を取るシーンが長く、山村聰と若尾文子の体力の消耗が見る側にも感じ取れて、「拓本キレイに取れてよかったねおじいちゃん!」って思えた

映画はプール完成前で終わってしまったけれど、文子様が泳ぐ姿をおじいちゃんは存分に楽しめたのかしら

予告編では「『鍵』よりも異常性欲」とあったが、それは盛りすぎではなかろうか

タイトルだけで増村保造監督かと思っていたけど、木村恵吾だった。そつなく撮るというのが木村恵吾の印象だけど、山村聰と若尾文子だけでなく脇役もお見事で、このキワモノ文芸大作をキレイに整えた感じ(特にラストの拓本を眺めるシーンなんて、とても優しい)

増村版が見たいと思わないでもないけど、木村恵吾だからこそこんなに優しい映画になったのだな
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