さわら

グリーン・インフェルノのさわらのレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
4.5
すべての慈善団体が偽善とはまったく思わない。ただときに慈善家というのは自らのもつ正義感ゆえに、無自覚な暴力を振るいがちという面を忘れてはならない。物事の一面性しか見れない人間の恐ろしさ、“野蛮”を見て自らの“正当性”を補填する奴らのつまらなさよ!そんな奴らが喰われるというのだから、全編すっーと胸のすく思いだった!
監督イーライロスの丁寧な演出・構成の光る傑作。冒頭のタイトル出るまでも最高だし、最初とラストのハンガーストライキとか何かと皮肉が効いててよい。なにかと食人映画やゾンビ映画、あとサメ映画などを下にみる人たち(下等扱いするうんこたち)が少なからずいるが、そんなやつらも言葉の通じない奴らに喰われてしまえばいい。バイヤー!!

しかも、この映画は小生の永年の疑問にも真正面から向き合っている。それは「捕まって拘束された奴らのおトイレ問題」である。どうも映画というのはこの問題を避けたがる。下品とはいえ人間の生理現象、よく小生は「ここでエレベーター止まってうんこしたくなったらどうしよう?」なんて思ったりしたものだ(今も)。その面でも信頼できるぜ、イーライロス!大量噴射のあと、子どもたちが顔がアップで映る。そのとき嫌そうに、そして所々愉快そうに顔をしかめる子供たち。かつて子ども時代、コロコロという漫画雑誌に『かげきベイビー バーブー赤ちん』という超お下劣漫画があってだな、それをキャッキャッと愛読してた小生としては、言葉通じなくても「うんこは面白い」という共通感覚があるのかと思ってしまい、妙に感動した(錯綜)。

先住民に捕まったあとのどうのこうのよりも、身近に蔓延る善意の押し売りのような人たちが幅を利かせていることの方にに恐ろしさを感じた。大学時代、1日に3回もマルチっぽい勧誘を受けたことがあるが、いま思うとみんな本作の無自覚少年少女たちのような狂った目をしてたな、「さわらくんもセミナー出てみない?」って。ハネケの『ファニーゲーム』しかり、“怪しい人たちには極力近づくな”、小生それが映画から学んだこと。本気で逃げたさ。逃げるが勝ち。