ぺいるまいさつき

グリーン・インフェルノのぺいるまいさつきのレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
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食人したっていいじゃない。だってお食事だもの。
食人族(ヤハ族)を演じた先住民のカラナヤク族。イーライ・ロス監督は、映画という存在も知らない彼らに、他のメジャーな映画を一切見せることなく映画『食人族』だけを見せたため、彼らの中では映画=『食人族』になっているそう。うーむ・・・。真剣にレビュー書こうと思って最後まで残してましたが、もう2015年も終わってしまうためメモのみ。いつかこの映画(or 食人種というテーマ)でレポート書いてみたい。




メモ↓✍(.. )↓

「カニーバレス(カニバル)」という言葉が世界で初めて文字として記録されたのは1492年11月23日。クリストファー・コロンブスの航海記においてである。本橋哲也は、この言葉がこの後数世紀におよびもたらした暴力を考えると、この日こそが「植民地主義が呱呱の声をあげた日」といってもいいのではないか、と主張している。コロンブスは、はじめて「カニバル」という単語の音を耳にした時、最初は自分たちも先住民には「カニバル」と同じように見えたに違いない、と考えていた。この時点では「カニバル」という語は「食人種」を意味すると同時に、「見知らぬ他者」ないし「見知らぬ他者への恐怖」の意味合いも含んでいたようだ。(pp.25-28)

マルキ・ド・サドの『食人国旅行記』には南太平洋の島タモエの君主ザメの言葉が以下のように語られている。「砂糖だとか、煙草だとか、香料だとか、コーヒーだとかいうものは、貧困のために人間を犠牲にしてまで、獲得しなければならないものなのでしょうか。・・・・・・わたしにとって、唯一の恐るべき敵はヨーロッパ人です・・・・・・アジア人を丸めこみ、アフリカ人を縛りあげ、新大陸の市民をみな殺しにして、それでもまだ満足せず、さらに南の海に島を見つけて、これを征服しようとするのです・・・・・・彼らはひとたびこの島にやってきたら、きっとわたしたちをみな殺しにするにちがいありません。」(pp.53-54)

1993年8月18日、16名のヤマノミ民族が白人の金採掘者たちによって、「まるで人を食う悪魔のように」切り刻まれ虐殺された。ヤマノミ民族は、死者への敬意を表すために、成人の死者の灰は親族が使う炉のそばに埋め、子供の灰はバナナのかゆに混ぜて食す。この敬虔な「食人種」たちは、鬼や悪魔は仇として食ってやる値打ちなどなく、報復に値するのは同じ人間だけだ、と白人への報復を諦めた。(ブリュース・アルベール「ブラジルで何が起こったか―ヤマノミ民族虐殺の真相」)(pp.57-58)

本橋哲也著『ポストコロニアリズム』より。

本当に「食人」しているのはいったいどちら側なんでしょうか。