マヒロ

グリーン・インフェルノのマヒロのレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
3.5
環境保護を訴える大学生たちが、金持ちの補助を得て、未開の地の開発を進め原住民を弾圧する団体に抗議するため現地へ向かうが、そんな最中飛行機が墜落してしまい…というお話。

今の時代に人食い族の映画撮るってのがもう既に面白いが、鮮烈な緑のジャングルに、強烈な赤のペイントを施した大量の原住民という画の凄まじさだけでなんか元取れた気になってしまった。緑と赤は目にキツイ組み合わせで、エルム街のフレディが着てるセーターが赤緑なのもそれが理由らしい。
人食いと言えどただゾンビのようにかぶりつくわけではなく、他の動物のようにきちんと料理して食べるんだけど、その料理のシーンをやたらと詳細に・丁寧に描くので、その直前の生きたまま解体する凄惨なシーンがなければ『世界ふしぎ発見』かなんかかに錯覚しそうだった。

全体的に、被害者となる大学生達に全く肩入れしておらず、何も知らずにジャングルに来た「意識高い系」のマヌケみたいな描き方をされているんだけど、オタク監督のイーライ・ロスはそういう人たちが無惨にやられていく姿を描きたかっただけなんじゃないかという気もする。
一人、ホラー映画にありがちな、自分の損得のためだけに行動して他の人の事を全く考えない悪い奴がいるんだけど、何も考えず理想だけで行動してる大学生達に比べて、現実的でニヒリストな彼にむしろ好感を覚えてしまった。「こういう時は落ち着かなければ」とか言って急にマスかきはじめるのは『ウルフオブウォールストリート』のマコノヒーみたいで笑った。


(2017.145)
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