"空気を読む竜巻"
POV形式のディザスタームービー。
日本では巨大竜巻が発生しないため、あまり話題にならなかったですが、POV映画としては中々の迫力を味わえる作品です。開始直後に状況がよくわからないまま、竜巻に襲われる描写があります。これ一体何だったんだろう笑
序盤は他のディザスタームービーと然程変わらないホームビデオが続く。25年後の自分へのメッセージビデオを撮影するトレイは、在学中の高校の教頭である父と険悪な仲。このメッセージビデオを通して各キャラクター達の境遇が明かされ、来る大災害に向けた準備運動となっています。
『クローバーフィールド』のようにホームビデオ部分が苦痛になってくる前に、潔く竜巻を出現させたのは良かったかと。実際にいそうなジャッカスタイプのお馬鹿シーンも余興としては楽しめます。
しかし、前半の竜巻はどうも人間のように空気を読んでるのが残念でした。プロのストームチェイサーとなるピートに近付こうとすると、急停止して別方向へと進んでいくのである。明らかに不自然な動き、CGには興醒めしました。
また、この不自然な竜巻描写はもう1箇所あります。
中盤で息子を救出に向かった父を襲う竜巻。タイタスの扉にしがみつく父と女性に猛威を振るう竜巻。ところが次の瞬間、一瞬で風が止むのです。確かにここで二人とも飛ばされれば映画はおしまいかもしれないですが、ピタッと風は止まり、加えて竜巻も消えるのが逆に笑えてきます。
なお、暴風が吹き荒れるなか、普通に走ってるキャラクター達についてはこの際何も言うまい。
後半、恐怖の火炎竜巻から一気にパニック映画としても迫力が増し、真の主人公と言える竜巻も4つ連続発生と大盤振る舞い。こんな状況で本当に助かるのか、九死に一生をえまくるクライマックスは映画館案件に相応しいでしょう。