一攫千金を狙うギャングとアメリカの諜報部員が、財宝を隠し持つキューバ政府軍の船に潜入する。キューバ革命に関わるドラマを整合性無視のハチャメチャ論法で活写している、ホラー・コメディ。
"スパイ、ギャング、無人島、モンスター"をチャンポン鍋にしている、純然たる喜劇路線。前作「地球最後の女」の出演者と撮影場所で早撮りを敢行しており、ギャングの情婦役を演じるベッツィー・ジョーンズ=モアランドが、香気芬芬とした魔性を発揮している。
中盤部から孤島のシークエンスに移行するが、ほとんど船内のワン・シチュエーションものという印象。とくに物語を動かすわけでもない諜報部員だとか、動物の鳴き声を模写するモノマネ男だとか、もはやジャンキーな闇鍋状態と化している。
肝心の財宝争奪戦は、"苔むしたムック"のような海中モンスターが横槍を入れることにより、エクストリーム・マッチへと発展。スクリーン・プロセスによるチープな映像世界が、絶妙な魅力を生んでいる。