円柱野郎

ウォークラフトの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ウォークラフト(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

リアルタイムストラテジーの人気ゲームを映画化した作品。
人間・ドワーフ・ハイエルフなどが住むアゼロスへオークの大群が侵略を開始する。
人間の王であるレインはアゼロスの守護者・メディヴへ助力を乞うが…。

原作のゲームは未プレイ。
物語は映画オリジナルの様だけど、ハイファンタジー的な世界観は類型的な感じが強い。
とはいえオークを単なる悪役にせず、両勢力の中にも善悪の戦いがあるという構成にしたのは面白い。
ただ幾分人間側の方のストーリーが安っぽく見えてしまうのは、ファンタジーとして類型的な感じが過ぎていることと、守護者であるメディヴの葛藤が今一つ分かりにくいというところにあるのだろうか。
どうしてもLOTRと比較してしまいそうになる世界観の中で、メディヴは「ああ白のサルマン的な立ち位置ね」とか、ローサーはエオメルっぽいアラゴルンかな、とか思ってしまう時点で二番煎じ的な感じがするのはちょっと分が悪いかも。
ゴーレム戦も何だか安っぽく見えるんだよね。
なんだか色々カットしている様な場面転換も気になったし。

一方でオーク側の主人公・デュロタンの方が話も分かりやすく感情移入もしやすかった。
オークたちもクリンゴン的な戦闘的高潔さはなかなか魅力的だし、闇の魔法フェルを使うグルダンも禍々しいビジュアルがなかなか良いですぞ。
緑の魔力は悪い力だというのも分かりやすいしね。

全体的には類型的な感じがする中で、ラストの展開はちょっと驚くところも。
場を鎮めるため、オークの名誉を重んじる思考を逆手に取って自己犠牲という選択をする王はすごいな。
でも若干犬死めいて見えてしまうのは、バックにいるグルダンを倒せるわけでもなく戦争も続くという結果になったからか。
王を殺したガローナが勢いでグルダンも倒してしまえば完結したろうが、そうもいかないのは主題のためか続編を意識したためか。
円柱野郎

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