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近キョリ恋愛のodyssのレビュー・感想・評価

近キョリ恋愛(2014年製作の映画)
2.5
【やや平板――小松菜奈をめぐって(その4)

小松菜奈は『渇き。』で初めて見たのだけれど、何しろ極端な役柄だったので、もう少し普通の役でスクリーンに登場して欲しいと思っていました。そういうわけで彼女の出演するこの映画を見に出かけたのですが・・・

やっぱり極端な役なんですよね、この映画では。何しろ徹底的に無表情。顔は動かさない代わりに手で感情を(目立たぬように)表現している、或いは発散している。

彼女って、目と目の間がかなり開いている。この映画では最初その辺に違和感があって、失礼ながらブスに近いかな、と。話が進むにつれてだんだん慣れてきたせいか、終盤では可愛いなと思いながら見てましたけど。

キャラクターの設定は、小松菜奈演じるヒロインがちょっと極端ですが、そしてイケメンの英語教師という役柄の山下智久もややアリエネー的ではありますが(女生徒ひとりだけに補習授業って、そりゃないだろう)、意外に普通です。例えば彼の乗っているクルマ。真っ赤な色で派手派手ではありますが、外車じゃなくてトヨタ車。そりゃあ、若手教師の給料なんてタカが知れてるから国際車になるのは当たり前ですけど、案外リアリズムなのかなと。

ヒロインのライバルとして登場する女教師が水川あさみ。このキャスティングがうまいですね。水川あさみって演技派だけれど、容姿で言うと美人のような美人でないような微妙な女優さんなので(別にくさしているわけではありません)、こういう設定(ヒロインのライバルにはなるけれど美人度で上回らない)にはぴったりです。

ヒロインの性格設定からしてもう少しコミカルな話なのかと期待していたのですが、筋書きは案外真面目、そしてやや平板。もう少し起伏が欲しかったと思いました。
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