悲しみや悲惨さを、描きながらも今まで観た戦争映画の中でずば抜けて格好よかった！また、戦車へ焦点を当てた戦争映画を観たのは初めてだったので新鮮さも感じた。
これまではなんとなーく戦争映画というと＝悲しい、反省なメッセージを含んでいるような感じがしてなんだかポジティブな感情を観るときも観終わった後も感じることは少なかったが、フューリー号に乗る面々の暴力的だし、なんだか小汚いけどそれでも戦車に乗り込み戦う姿に男気を感じ惚れ惚れ。
また、戦闘シーンは外では戦車でドッカンドッカンやりながらも、戦車の中の閉塞感や緊迫感がじわじわと伝わりこっちまで息が詰まりそうになることも。特にティガー戦車での戦いはあの大きさ、迫力に圧倒され、フューリーのメンバー同様に"これと戦うのは無理だろ..."と絶望した。
そして、何よりも役者陣の心情の変化の表し方が素晴らしかった。特に新兵ノーマン役のローガン・ラーマン！彼の戦争が進み戦いの回数を重ねるにつれて表情が変わり行く姿は観ているこっちが辛くなり、戦争で荒れ果てた土地や死体といった視覚的な悲惨さと違い、じわじわとこの変化は心を辛くさせてくれた。
ストーリーに役者に映像の迫力にと1つ1つ取るとどれも素晴らしいのだが男達の格好よさや絆、心情の変化、戦争の悲惨さと着目するポイントがありすぎて少し中途半端な面もはらんでいたかなと。ただ、戦争映画として戦車に焦点を当てた新境地は観てみる価値は充分にあると思った。
