ヒモロギ

鬼の詩のヒモロギのレビュー・感想・評価

鬼の詩(1975年製作の映画)
3.9
二代目桂米喬をモデルとした落語家、桂馬喬の狂気を描いた作品なわけですが、この人が高座に上がると客は罵声を飛ばす、あばただらけの彼の顔をからかう、馬糞を投げつけるなどの暴虐の限りをつくし、また馬喬のほうもあばたにキセルを引っ掛ける芸を開発する、巫女のコスプレをする、馬糞をかっ喰らうなどのアングラ芸を開発して対抗する始末で、なんなんだこのカオスな空間は。まるで80年代バンドブーム前後のライブハウスのようだよ。行ったことないけど。

あとはそう、馬喬と奥さんが門付けの芸で生計をたてながら全国の寒村を旅してまわるシーンがなんか『砂の器』っぽくてすごくよかった。
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