歩葉戸路素

S.W.A.T. vs デビルの歩葉戸路素のレビュー・感想・評価

S.W.A.T. vs デビル(2014年製作の映画)
5.0
とんでもない怪作!!
世間ではゴミクズ扱いされてるが(まぁ実際ゴミクズなんだろうけど…)
今までの映画には無い新時代のエンターテイメントに昇華できるポテンシャルがある!
…と個人的に思っているんだがね………

『米軍特殊部隊が、隔離された精神病棟へと足を踏み入れる。しかし、そこは悪魔が巣くう惨殺エリアだった!戦闘エリート集団と、悪魔の全面対決を描いた弱肉強食サバイバル・アクション!!』

…という映画をオッサン2人が実況しながら鑑賞する映画である!!

オーディオコメンタリーをそのまま一本の映画にしたかのような物語
オッサン2人は配給会社の社員で、彼らが鑑賞する映画は『配給会社へ送り付けられた未完成の出来の悪い作品』なのである
我々はその未完成映画をオッサン2人の実況を聞きながら鑑賞する
しかしタチが悪いことにオッサン2人は本当にしょーもないことしかツッコまず、脱力実況を90分間ずーっと聞かされるのだ…
『こんな俳優居たか?他の映画から紛れこんできたのかな?』
『ラジオの声ぐらい訛りの無い言葉で話せよ』
とか専門知識も何もない本当にYouTubeのゲーム配信レベルの実況
挙げ句の果てには
『お前リンダとはどうなんだ?』
とかオッサン同士で世間話を始めて(リンダって誰なんだよ!)
最後まで観た感想に
『結末がないけど始まりと中盤がある』
という小学生の感想文のようなセリフで総括する(劇中劇の映画は未完成なのでクライマックスでいきなりブツ切りになり終わる)
そしてこのアホな実況と同時に彼らの配給会社の内輪ネタも進行する
社長と社員のドタバタ劇
最終的に社長が『獣姦罪』の件でFBIに逮捕されるという結末が待っている…………!!?

身も蓋も無い世紀のゴミクズZ級ムービー
ある意味でゴダールを超える『映画的脱構築』に成功?した作品
ここまで映画の因習や常識を破壊した作品はそうそう無いハズ
しかし劇中劇を登場キャラが実況しながら鑑賞するって映画技法は今まで存在していなかったし、上手く料理すれば物凄い傑作に、新時代の娯楽に化けたんじゃないのかなぁ…?と妄想してるので満点に…
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