しろくま

ケープタウンのしろくまのレビュー・感想・評価

ケープタウン(2013年製作の映画)
3.4
2022.05.05/101/GYAO
〝パイレーツ・オブ・カリビアン〟のオーランド・ブルームと〝大統領の執事の涙〟のフォレスト・ウィデッカーが対照的な刑事を演じ、事件の真相に迫るバディムービー。

ケープタウンで起きた凄惨な殺人事件と次々に失踪する子ども達。事件を担当する実直な黒人刑事アリと自堕落な白人刑事ブライアンは街に潜む深い闇に飲み込まれていく。捜査を進めていくうちに明らかになる、麻薬の売人と事件の裏に潜む恐ろしい犯罪組織。南アフリカが抱える貧富の差と人種差別などを絡めた重厚な社会派サスペンス。

これって〝特捜部Q〟シリーズのような感じの映画で、殺人現場や捜査の過程、銃撃戦もリアルで犯罪組織とのスリリングな攻防戦に釘付けになって観ていたら、途中から変な流れになって嫌な予感が…。まさかのマッドサイエンティストと製薬会社のお話に持っていってしまうなんて。麻薬に見せかけた特定の人種を殺すクスリって、荒唐無稽過ぎる。この映画の予告編を観直したら、確かに〝昔、化学兵器を作る計画があった。黒人を抹殺するための兵器だ〟ってネタバレしてた。無理に人種問題を絡めたこの展開で、一気にリアリティを欠いてしまうって思わなかったのかな。普通に新薬実験のためっていう話だったら問題なかったのにね。それと、私情に駆られた行き過ぎた単独行動の捜査で殺しまくるのもダメでしょ。
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