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ケープタウンのikoanのレビュー・感想・評価

ケープタウン(2013年製作の映画)
3.3
オーランドブルーム、フォレスト ウィテカー主演のなかなかバイオレンスなクライムアクション!
新開発の麻薬をめぐる主人公達の活躍がケープタウンを舞台にサスペンスフルに展開するんですが、やっぱり南アなんです!アパルトヘイトの陰が…。
登場人物のキャラが典型的な刑事物って感じもしますが、2人ともアパルトヘイトに纏わる過去を引きづっています。
父親を眼の前で白人に殺され自分も性的不能になりながらも、ネルソンマンデラの赦しを奉じるアリ、父親の差別主義を赦せず父の墓石に何も刻めずにいるブライアン。捜査の過程で彼らの心情やアパルトヘイトや貧困の様子が次第に明らかにされていきます。
物静かで怒りを抑える知性と勇気を持ち合わせたアリも子供達が犠牲になる悲惨な現状、同僚の死で突きつけられる人種の壁、遂に母親の死を前にアリの中の赦しは…、そんなアリの姿をずっと見ていたブライアンは最後に父親の墓石に…。
うーん、赦しがテーマのこの作品、戦後生まれの私なんかがマンデラの赦しに簡単に感銘を受けたり、ガンジーの無抵抗不服従に賛意を覚えたりなんですが当事者達の姿も何も知らずにただ遠くから眺めていただけなんだって、そんな事を改めて思い知らされる様な、平和ボケの親父にガツンと喝を入れるハードな一作でした。良作!
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