3時間かけて語るに相応しい内容と密度だった。原作よりも主人公のサワが愛らしく感じられると同時に、母性も色濃く描写されていて、まさに安藤サクラのための映画だなと思った。
重く語られがちなテーマ(介護、孤独、戦争、貧困…)を扱いながらも、高尚に論じようとしない訴え方だった。だからこそ、過度に感情移入したり弱者に同情したりするような安易な答えに行き着かず、ただ1人の人間と対峙する時の姿勢を問い直されているようだった。
ウサギのりんご、小アジのみりん干し、かぼちゃの煮付け、カレーライス、うどん…どれも全然美味しそうに食べてなかったけど、食べたくなる不思議な食事風景だった。