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ピクセルのTELのレビュー・感想・評価

ピクセル(2015年製作の映画)
1.4
<ファミコンを映画に持ち込んだ2流B級映画>

いやー、期待外れでした。

ギャラガとかパックマンとかドンキーコングなどが地球を襲うという展開は面白いし、対策を考えるためにアメリカ大統領やホワイトハウスに集まる幹部たちがジョークを織り交ぜ良い意味でふざけながら話し合いを行うヌルい展開は結構楽しめました。俳優さんも女優さんも全く知らなかったけど、大人たちが必死で街中に出現するギャラガやスーパーマリオといったファミコンのキャラクターたちを光線銃で撃退していくのはシュールで面白かったと思います。

ただ、そんなB級映画の中に変にラブロマンスを入れたり(主人公とヒロイン)大統領をディスったり、よくわからないアメリカの有名人?が出てきたりと、中途半端な展開が多かったような気がします。

あと、異星人が地球人に対してアメリカの往年の有名人の映像を使って宣戦布告する場面が数回ありますが、全く誰かわからず面白さもギャグなのかすらもわからず残念な気持ちになりました。おそらく、日本で言うところの松田優作とか吉永小百合?とかの映像を使ってる、というイメージなんだろうけどさ。。。日本人は多分わからないんじゃないかなぁ(詳しい方はいらっしゃるかと思いますが私は何もわかりませんでした)。

また、ドンキーコングとパックマン世界チャンピオンのエディ・プラントが裏ワザ?を使ってズルをした、という場面がありますが、そのズルとは何だったのか、過去と現在で実施したその行為がどうゲームの攻略に結びついたのか全く描かれてなかったのは残念です。

最も許せないのは最後の戦い。相手の本拠地へ乗り込んだらドンキーコングが襲ってくるというシーンでしたが、なんというかアッサリ描かれすぎていてあっという間に撃退して終わり、、、というのが微妙過ぎます。ボスがどんな奴だったのかわからず無理やり話を終わらした、という強引さだけが目立った雑な展開は本当に残念でした。

日本発祥のゲームがメインのストーリーだから日本でここまで大きなプロモーションができるんだろうなぁ。。。パックマンん目の前に「私が君の父親だよ」と優しく語りかける感動的シーンから、手を食べられて「こいつをぶっ殺せ!」と豹変するシーンを予告PVに使ってたり、ドンキーコングと相まみえるシーンを効果的にCMに使っていましたが、そのあたりしか面白い場面はありません。完全にCM勝ちの映画ですね。

ファミコンのキャラクターを映画の世界に持ち込んだ2流B級コメディ映画、もっとパックマンやドンキーコングといったファミコンのキャラクターを美味しく調理できるストーリーはあったと思うんです。ただただ全体的に甘いというか惜しい展開しか出てこないので残念な気持ちしか残りません。

とまぁ、色々書いてきましたが、この映画は単純にパックマンとかギャラガが出て来るのを笑いながら見るのが正しい楽しみ方だと思います。ストーリーなんて無いようなものなんだから説明が無いとか雑とか気にしたらダメですね。

なので、こういう面白いものをただ楽しむ、という純粋な気持ちを失った私にとっては面白さを感じにくかった映画でした。
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